鶏のコンフィが炊飯器で美味しくつくれました
私は、ビストロ料理が大好き、なかでもコンフィ大好きです。それが家で簡単に作れるようになりました!うれしい!作り方を記録しておきます。
これまで何回か作りましたが、毎度、家族も自分も夢中になって食べてしまいまして、写真を撮る余裕がございませんでしたので、Flickr にあった似たイメージの画像でお許しください。(creative commons により掲載可)
ことの発端は、佐々木俊尚さんのツイートでした。
低温の油でじっくり加熱するコンフィ。家でやったことなかったなあ。意外と簡単そうだし今度やってみよう。/最近お店でよく見かける料理名「コンフィ」っていったい何? http://t.co/Y0jo8DM2IO
— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) 2014, 2月 11
リンクをたどってあれこれ見ていると、どうやら炊飯器を使って簡単にコンフィができるようです。これは朗報!とばかりにチャレンジ、あれこれ試行錯誤を繰り返しまして、私なりに満足いく出来栄え、家族にも好評な作り方が見えてきました。
1.骨付き鶏もも肉を使う。
骨付きのほうが旨みたっぷりです。お肉屋さんでもスーパーでも、お店にお願いして、骨付き鶏もも肉を関節のところで2つに切ってもらい、骨に沿って肉に切り込みを入れてもらっておきます。これは、同僚のシェフ武井に教えてもらったワザ。
2.下味は、塩水にマリネして。
1リットルの水に塩50グラム、生のタイムとローズマリーを2,3本ずつを投入し、沸騰させて、自然に冷まします。チャック付きポリ袋に鶏肉をいれ、この塩水を注ぎ、冷蔵庫で2日ほど放置します。これで味がつきます。
この方法は、新宿伊勢丹のキッチンステージで配布していたパンフレットを参考にしました。
岩手県食材を使用した「ビストロ料理の愉しみ」メニュー提供中!(新宿伊勢丹キッチンステージ) | 純情交流ひろば | いわて食財倶楽部
3.コンフィはオリーブオイル、加熱は炊飯器で。
味のついた肉を別のチャック付きポリ袋にいれ、オリーブ油を注ぎます。空気を抜きながらチャックを閉じ、肉がオリーブ油に完全に浸かってるようにします。万が一もれるといけないので、袋は二重にします。
この袋を空の炊飯器に入れ、80度くらいのお湯を袋がかぶるくらい注ぎ、「保温」にして4~6時間放置します。
うちの5.5合炊きの15年選手の炊飯器に、鶏もも肉3本分(それぞれ2つに切り分けたので6ピース)までいけました。
加熱がすんだら、油ごと冷蔵庫でしばらく保存できます。
炊飯器を利用した調理方法は、こちらを参考にしました。
簡単絶品フレンチ♡ 鴨肉のコンフィ by フォレストヒル [クックパッド] 簡単おいしいみんなのレシピが171万品
また、炊飯器に臭いがつかないか、ときかれたことがありますが、今のところ、うちは全く問題ないです。
4.仕上げは小麦粉をふってパリッと焼く。
鶏肉をオリーブ油から取り出し、小麦粉をつけます。油がついているので、そのままフライパンで焼くと、皮がパリパリッとします。しっとりほろほろのお肉とのバランスが絶妙です。
5.おまけ。
肉を取り出した後のオイルを、冷蔵庫に一晩入れておくと、調理中に出た肉汁が、骨から溶け出たゼラチン質で固まります。これを取り出し、小鍋で溶かすと、味の濃い上質な鶏スープになります。このままですと塩味も強いので、2~3倍に薄め、具に野菜を適宜投入して、美味しくいただきました。
一見手が込んでいるように見えますが、実際に手を動かす時間はとても少ないです。保存がきくので、週末に炊飯器で加熱した後、平日に仕上げをし、あとはサラダでもあれば、平日にしては豪華すぎる夕食が実現します。おまけのスープも、うれしい副産物。というわけで、忙しい方にこそお勧めのお料理です。
ワーキングマザー1年生との往復書簡
赤ちゃんを保育園に預け、復職して4ヶ月たちました。
とにかく必死でやってきましたが、時間の経過と共に仕事の負担が増えていき、
満足できるアウトプットがなかなか出せなくなりました。 仕事を持ち帰ることもありますが追い付かず、助っ人が必要だと上司に相談したところ「理解できない」と一蹴され、 もはや退職すべきか悩んでいます。 フレックスや時短を利用することも考えましたが、それではできる仕事が限られてしまいます。どうしたら、「子どもの世話があるので帰ります」と堂々言い張って帰れるでしょうか。どうしたら、満足に仕事ができない自分を納得させられるでしょうか。
彼女の切迫感におされて、私は、一気に返事を書きました。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
どうしたら、「子どもの世話があるので帰ります」と堂々言い張って帰れるでしょうか。どうしたら、満足に仕事ができない自分を納得させられるでしょうか。
●時間の制約の中で、
●会社全体の視点からみて、付加価値が相対的に低い仕事、
もうひとつ、フレックスや時短ですが、仕事内容とのバランスで
その日にまとめて仕事をしていました。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
グロービスの英語授業に「ほぼ日」が。
先日、グロービス経営大学院の授業におじゃましてきました。グロービスでは「ほぼ日刊イトイ新聞」を題材にしたケース(教材)を日英両方作ってくださっています。英語版はを使って授業を行うところを見学させてもらうことにしたのです。
「この授業は社会人学生28名が受講しています。出身国は日本含めアジア・アフリカ・欧・米の4大陸から16カ国とさまざまです。」
事前にそう知らされて、びっくりしました。グロービス、いつの間にそんなに多国籍化してたの!? 学生誘致にそうとう力を尽くされているのではないかと思います。
授業は、マーケティングがテーマの応用クラス。講師の説明、問いの投げかけ、グループ討議、クラス全体討議を織り交ぜながら進みます。
↑一見して多国籍!
印象的だったのは、受講生の意見や質問が、本質に迫るかんじだったことです。
「この会社がいわゆる市場調査をしないのは、ユーザーの期待を超えるものを提供したいからだと思います」とか、
「トップページに出てくる『ダーリン』は親しみやすさ、『メニュー』は好きなコンテンツだけ楽しめばいいという意味を感じさせ、メタファーとして効果的」
なんて言う意見が、ぽんぽん出てくる。
こんな意見も出てきました。
「自分から見ると、メタファーがちょっと『やりすぎ』な感じ (pretentious) もする。このまま英語にして他の国に持っていっても、笑われちゃうかもよ」
何を言ってるんだろう、この人は。まず違和感を持ちました。でも、ちょっと考えてみれば、糸井重里というものを全く知らなければ、当然の反応です。トップページの「今日のダーリン」「今日の新メニュー」という表現は、糸井重里が日本において発信するには効果があるけれど、他の文脈では通用しないかもしれない。ほぼ日の創刊初期から読者だった私は、すっかり慣れてしまって、自分ひとりでは気づくことのできない貴重な視点をもらえました。
この1年ほど、ほぼ日の事業について説明する機会を時々いただくようになりました。ありがたいことです。こうした機会では、社長の与える印象が強いせいか、個人事業ではなく会社として運営していること自体に、まず驚かれます。また、社長へのリスペクトの気持ちからか、何かうまくいっているとしたら社長がすごいから/有名だからでしょ、という前提の質問を受けることも少なくありません。
そうした経験と対比して、今回、外国人学生の意見や質問から気づかされることが、たくさんありました。日本語の力が限られていて、ウェブサイト「ほぼ日」も「ほぼ日手帳」も知らない人たちが、英訳されたケースから、自分も明確に意識していなかったような洞察を提示してくれるのです。
これは、「文脈をどっぷり共有してない」から生まれた気づきであり、面白さだと思いました。外国人学生たちは、糸井重里を知らない。日本の生活文化における糸井重里の影響や位置づけを知らないから、先入観がない。事業のやっていることを知ったとき、「社長が有名だからできるんだよね」「全部、社長のヒラメキでコンテンツ作ってるんでしょう?」といった思考停止にハマらずにすむ。
かといって、文脈を全く共有していないわけではありません。彼らは、日本でMBAをとり、いずれ日本で仕事をしたいという強い動機があり、マーケティングに興味があって授業を履修しているのです。さらに、「ほぼ日」の現状という「事実」をケースの形で共有していました。
文脈をどっぷり共有していないけれど、動機や興味の方向が重なるひとと対話をすると、自分の先入観を気持ちよく取り払ってくれるような気づきが得られるのですね。
少し話が飛びますが、「ダイバーシティーがすすむと、イノベーションがうまれやすくなる」と短いフレーズで言い切っているものを見るたび、ちょっと気になっていました。なぜ、ダイバーシティーがすすむと、イノベーションがうまれやすくなるのでしょうか。
もう少し細かく、「ダイバーシティー」(多様性)から「イノベーション」へのつながりが説明できるかもしれない。グロービスの授業見学から得た印象を起点に考えてみました。
ダイバーシティー(多様性)とは、「文脈をどっぷり共有してない人たちがチームに参加している」ということです。性別、年齢層、人種など「多様化」の指標のように言われていることは、どれも「文脈」の代替指標なのではないでしょうか。
文脈をどっぷり共有していない人たちは、チームのそれまでの暗黙の前提を共有していません。それまで当たり前とされていたことを、知らなかったり、必ずしも共感しなかったりします。その姿勢で現状を見て、思考停止せずに「なぜ?」と問うてくれます。暗黙の前提が明示的になります。暗黙の前提の枠内で閉じていた発想では考えつきにくい、素朴なアイディアも出るでしょう。それらの質問やアイディアは、そのままでは使い物にならないことの方が多いかもしれません。これまでの文脈の「常識」「あ・うんの呼吸」を突破するきっかけには、なりそうですが、それだけと言えば、それだけ。
そうすると、ダイバーシティーがイノベーションにつながるには、他にもいくつか要素がいりそうですね。
ひとつは、文脈を共有しないメンバーからの質問やアイディアに共感するにせよ、違和感を感じるにせよ、「なぜそう感じるか」を考え、受け止め、共有し続ける姿勢です。「え?」と思うような質問に「うるさいな」と封じ込めてばかりでは、思考停止のままですよね。考え、「言われてみれば、そうだ」でもいいし、「いや、ここでは、そのようには考えないんだよ」と説明してもいい。共有し続けるうちに、そのチームにとって揺るがせにできない大事なことと、変えてもかまわない枝葉の部分が、少しずつ明らかになるのではないでしょうか。
もうひとつは、「多様性」とは言っても、チームの価値観や動機を共有できる人たちでないと、成果を出すのは難しくなる、ということ。グロービスの外国人学生の例でいえば、糸井重里の存在感はまったく共有していないけれど、マーケティングへの興味や、提示された事実から学ぼうとする姿勢は共有できていました。多様性と価値観の共有、一見、逆説的なようですが、多様性のあるチームで仕事をすすめていくと、揺るがせにできない価値観や動機などが絞り込まれて明確になる。その絞り込まれた価値観は死守するように新しいメンバーを探すと、他の属性は多様になる。こんな循環になりそうです。例えば「とにかく女性を増やせ」という取り組みが乱暴だなあ、と感じてしまうのは、このあたりのダイナミクスへの配慮が読み取れないからなんだと思います。
さらに、「変わりたい」「現状を突破したい」という本気の「問い」がチームに共有されていないと、メンバーの多様性はイノベーションに結びつきません。「問い」が本気であればこそ、「多様性」がもたらす素朴な疑問やアイディアをきっかけに、みんなに共通する「普遍のテーマ」を追求する方向に話が転がり、本質的なイノベーションに一歩近づきます。
3時間の授業の見学から、いろいろ考えを深めるきっかけを頂けました。ありがとうございました。
東北≒海兵隊
先日、アメリカ海兵隊で戦地で活躍された後、被災地を訪れた方とお話しする機会がありました。
「東北には、海兵隊と同じレベルの、熱い志と力を持っている人が何人もいる。」
東北≒海兵隊。
海兵隊の将校レベルに対する私の勝手なイメージは体・頭脳・心が優れている、若い優秀な人が海兵隊を志したら応援するし、入れたら尊敬するし、海兵隊の将校を辞めた若い人はその先のキャリアも期待ができる、って感じ。
もし、東北の被災地ではたらくことに対する世の中のイメージが、海兵隊と同じようになったら、おもしろいなあ。「被災地、かわいそう、支援してあげなきゃ」「復興支援≒社会貢献(いいこと)」で止まらずに、「被災地、冒険、自分を試し、鍛える場。」「憧れ」というイメージまで膨らませる。
大企業の「東北事業部」がエリートコース視される。転職先が被災地の事業だと「えらいねえ、大変そうだけど頑張って」だけじゃなくて「すごい、かっこいい。さすが○○さん」って言われる。高校の先生が、見込みある子に「地元の大学より、東北の大学に進学して被災地支援のインターンをしっかり経験するのはどう?」って勧める。「うちの子は東北で頑張ってるんですよ」といなかのお母さんがちょっと誇らしく話す。
もちろん、海兵隊は組織で、東北は地域社会だから、大きな違いもある。たとえば、地域社会では、社会的弱者を包み込むような動きが必須。もし海兵隊のたとえに違和感があるなら、地方の優秀で志ある若者が目指したいまち、たとえば「東京」みたいなデスティネーションに東北がなったら…というイメージでもいいんです。あるいは、海外留学と同じくらい、「東北でゼロから何かを立ち上げようとしている事業者のインターン」も人気で、周りも認める選択肢になるとか、ね。
それに実際、被災地には海兵隊のような出来上がった組織はない。入隊したら一定の訓練プロセスに乗って最低限の力をつけ…といった、組織の経験に裏打ちされた育成手順はないから、個人の力量に依存する分量が大きい。とても豊かな経験をする人と、何も得られない人の差は大きいでしょう。
それでもなお、「東北≒海兵隊」のイメージが、なんだか魅力的だなって思う。要は「かっこいい!」というイメージになったら、すごく変わるよなあってこと。
ここまで書いて、Teach for America を思い出した。
アメリカで、貧困地域などの学校に優秀な大学新卒の若者を教員として送り、教育水準を上げるとともに、若者にも深い社会経験を積んでもらおうというNPO。アメリカの文系大学生の就職先人気ランキングではここ数年、トップ10にランクインし続けています。
アメリカの貧困地域に教えてに行く仕事を「かっこいいもの」にしたTeach for America の役割を果たす仕組みが、東北支援にあるといいんだな…。
(もしすでにそういう動きがあるなら、ぜひ知りたいです。)
「GIVE & TAKE 『与える人』こそ成功する時代」/アダム・グラント
GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)
- 作者: アダム・グラント,楠木建
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Give and Take: A Revolutionary Approach to Success
- 作者: Adam M. Grant Ph.D.
- 出版社/メーカー: Viking Adult
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資金集めを目的とした大学のコールセンターで調査を実施した。コールセンターは満足度の低い職場として知られている。同じことの繰り返しだし、ひどい言葉を投げかけられることもあるので 精神的につらい仕事だ。グラントは、センターの主目的のひとつは奨学金の資金集めだったため、 その奨学金で助かった、という学生を連れてきた。電話をかけていた人たちは10分休憩を取り、この学生の話に耳を傾けた。 学生は奨学金のおかげで人生が変わったこと、理想の職場で働くことになりわくわくしていることなどを話した。結果はグラントさえ驚くようなものだった。学生が話をした1ヵ月後、スタッフの電話対応時間は142%も増加し、 集まった資金は171%も増えていたのだ。
考えをキャッチボールしながら深める仲間づくり
私は、書くことは苦手です。日記はつけたことがないし、議事録や面談記録などは筆が遅くて周りに迷惑をかける。年賀状も…すみません。
そんな私が、何かを書いてためてみようかな、と思うようになりました。書いてみたいこと、書けそうなことの断片が、あれこれ浮かぶのですが、なかなか書き始めない。毎日そんな状況で1ヶ月ほどたち、改めて「なぜ書きたいんだろう?」とふり返ってみました。
この数年は、刺激的なインプットをたくさん受けています。二児の母になり、生活のペースが一変し、家族との関係もどんどん変わり、子どもを通じた交友関係も新たに生まれました。自分にとって仕事とは?といった根源的な問いから、今日の業務と育児をいかに綱渡りして乗り切るか?という超現実的、超短期的な問題まで、それまで自分に問うてこなかった課題に日々直面するようになりました。
職場も、ありがたいことにルーティンからほど遠い環境が続いています。前職では事業の売却、統合の渦中にあり、オーナーが変わることの組織的なインパクトを身をもって体験しました。現職は、書く、デザインする、企画するといった「ゼロからイチをうむ」全く新しい環境で、初めの2年ほどは周りで起きていることを理解するに至るまでで精一杯だったほどです。
子どもが生まれた頃からビジネス書やノンフィクションを中心に、それまでよりも本ををたくさん読むようになりました。初めは「自分はこのままではダメになってしまう」という焦りから。そして現職にうつってからの読書の目的は、今の職場の仕組みを自分なりに、ビジネス的に体系立てて理解したくて、そのヒントを探すことに重点が少しずつ移ってきたようです。
インプットがたまってくると、それを周りと共有したくなります。もともと、見聞きしたことや自分の考えを周りに話して一緒に面白がり、膨らませられる環境にワクワクするほうです。現職に移った時も、「読んだ本の話が普通にできる、普通に聞いてもらえる!」というのが、ほんとうにうれしかった。前職では、そういう仲間がちょっと少なかったものですから。
日常的な発見や面白いことは、身近な人と話したり、FBで共有しています。でも、仕事にまつわるテーマの共有は、それだけでは少しずつ足りなくなってきました。そのテーマとは、クリエイティブな仕事を、会社組織で続け、きちんと収益をあげていること。この仕組みの体系化が面白いのですが、今の同僚たちは、まさに渦中で日々「ゼロからイチ」を生もうと格闘していて、一歩引いた「体系化」の仕事は手がけづらい。では、かつての職場の仲間などはどうかというと、「クリエイティブ」というものが具体的にイメージしづらそうで、すぐにはノってもらえません。このテーマを面白がり、一緒に考えをキャッチボールしながら深められる仲間をつくりたい。それには、まず発信。発信してみたら、同僚達、昔の知り合い、そして新しい出会いから、一緒に探求しようという仲間がつくれるんじゃないか。そんな個人的動機もあって『ポーター賞2012』に応募し、幸いにも受賞することができました。
株式会社東京糸井重里事務所 | 受賞企業・事業部レポート | ポーター賞
『ポーター賞2012』の応募準備を進めている頃から、少しずつビジネス系メディアに取材していただく機会を頂きました。応募に向けて、事業の仕組みのロジックを組み立て文章にまとめていく作業を重ね、糸井事務所の事業について「ビジネス側」の文脈で少しお伝えできるようになったからだと思います。
しかし受賞後、「考えて書く」ことは止まってしまいました。もちろん日常業務のことは考えるし、ある程度まとまった文書も作りますが、「体系化」にむかっての歩みとしては、全く不十分なままです。もともと、必要なければ書かないタイプで…。
一緒に考えをキャッチボールしながら深められる仲間をつくりたいな。それには、まず自分がしっかり考えて発信しないと。私の場合は
ただ話す < プレゼンを準備する < 文章を書く
という順に、考えがしっかり練られます。
「書きたいなあ」という思いがちょっとずつたまっていたのは、実はこんな理由じゃないかと思っています。
長々と書いたわりには、ここで書くことが続かない自信、けっこうあります。何しろ書くことが苦手で、ここまで書くのに随分時間をかけてしまいました。今後、時間をどう捻出するか、まだ分かりません。今日、この一本を書いておしまいになっても…いいや。ちょっと悔しいけれど、それで「ほんとに書きたいの?」という問いに対する自分の本当の動機が分かるようになるなら。
(もし次を書くとしたら、当然ですが、仕事に関しては既に発表された情報しか触れません。お約束。)
美しい声
1年前の年の瀬のこと。
年忘れの集りに呼んでもらった。隠れ家のようなお店。
私たちのグループがだいぶ盛り上がって来た頃、
もう一団、お客さんが入って来た。
スタイルのいい女の人だなあ。
と思ったら、
テレビをほとんど見ない、疎い私でも知っている女優さんだ。
美容院で読んだ雑誌にインタビューが載ってたな。
子育てもしていて、舞台を中心に頑張ってる様子が
飾らない雰囲気で、好印象だった。
お店もこじんまりしているし
みんなわきまえているお客さん達で、
ちらっとその女優さんを見て、互いにちょっと目配せし合った後は
普通に振る舞おうとしていた。
お仲間と、楽しそうにおしゃべりを始める女優さん。
聞くとはなしに、耳に入ってしまう。
話の内容は分からないけれど、その声が。
美しい。
「鈴のような」という表現があるけれど、
こういう声のことをいうのだ、と初めて知った。
声がいいときくと、歌声のイメージしかなかったけれど
仲間うちの話し声がこれだけ美しく隣のテーブルに届くかたって、
あるんですね。
私たちはしばらくして先に出たので
その女優さんと同じお店に居合わせたのは30分ほど。
それでも、1年もたった今でも、
あの声のことも、耳にしたときの「わあっ」と感じた気持ちも
ありありと思い出す。
いつかこのことを書こうと思い続けたほど、
心に残った。
人の美しさっていろいろあるけれど
「声」を意識した、初めての経験でした。