ほしのまき

FB や Tw では流れてしまうので、ためておきたいことをここに書きます。

考えをキャッチボールしながら深める仲間づくり

私は、書くことは苦手です。日記はつけたことがないし、議事録や面談記録などは筆が遅くて周りに迷惑をかける。年賀状も…すみません。

 

そんな私が、何かを書いてためてみようかな、と思うようになりました。書いてみたいこと、書けそうなことの断片が、あれこれ浮かぶのですが、なかなか書き始めない。毎日そんな状況で1ヶ月ほどたち、改めて「なぜ書きたいんだろう?」とふり返ってみました。

この数年は、刺激的なインプットをたくさん受けています。二児の母になり、生活のペースが一変し、家族との関係もどんどん変わり、子どもを通じた交友関係も新たに生まれました。自分にとって仕事とは?といった根源的な問いから、今日の業務と育児をいかに綱渡りして乗り切るか?という超現実的、超短期的な問題まで、それまで自分に問うてこなかった課題に日々直面するようになりました。

職場も、ありがたいことにルーティンからほど遠い環境が続いています。前職では事業の売却、統合の渦中にあり、オーナーが変わることの組織的なインパクトを身をもって体験しました。現職は、書く、デザインする、企画するといった「ゼロからイチをうむ」全く新しい環境で、初めの2年ほどは周りで起きていることを理解するに至るまでで精一杯だったほどです。

 

子どもが生まれた頃からビジネス書やノンフィクションを中心に、それまでよりも本ををたくさん読むようになりました。初めは「自分はこのままではダメになってしまう」という焦りから。そして現職にうつってからの読書の目的は、今の職場の仕組みを自分なりに、ビジネス的に体系立てて理解したくて、そのヒントを探すことに重点が少しずつ移ってきたようです。

インプットがたまってくると、それを周りと共有したくなります。もともと、見聞きしたことや自分の考えを周りに話して一緒に面白がり、膨らませられる環境にワクワクするほうです。現職に移った時も、「読んだ本の話が普通にできる、普通に聞いてもらえる!」というのが、ほんとうにうれしかった。前職では、そういう仲間がちょっと少なかったものですから。

日常的な発見や面白いことは、身近な人と話したり、FBで共有しています。でも、仕事にまつわるテーマの共有は、それだけでは少しずつ足りなくなってきました。そのテーマとは、クリエイティブな仕事を、会社組織で続け、きちんと収益をあげていること。この仕組みの体系化が面白いのですが、今の同僚たちは、まさに渦中で日々「ゼロからイチ」を生もうと格闘していて、一歩引いた「体系化」の仕事は手がけづらい。では、かつての職場の仲間などはどうかというと、「クリエイティブ」というものが具体的にイメージしづらそうで、すぐにはノってもらえません。このテーマを面白がり、一緒に考えをキャッチボールしながら深められる仲間をつくりたい。それには、まず発信。発信してみたら、同僚達、昔の知り合い、そして新しい出会いから、一緒に探求しようという仲間がつくれるんじゃないか。そんな個人的動機もあって『ポーター賞2012』に応募し、幸いにも受賞することができました。

株式会社東京糸井重里事務所 | 受賞企業・事業部レポート | ポーター賞

 

ポーター賞2012』の応募準備を進めている頃から、少しずつビジネス系メディアに取材していただく機会を頂きました。応募に向けて、事業の仕組みのロジックを組み立て文章にまとめていく作業を重ね、糸井事務所の事業について「ビジネス側」の文脈で少しお伝えできるようになったからだと思います。

しかし受賞後、「考えて書く」ことは止まってしまいました。もちろん日常業務のことは考えるし、ある程度まとまった文書も作りますが、「体系化」にむかっての歩みとしては、全く不十分なままです。もともと、必要なければ書かないタイプで…。

一緒に考えをキャッチボールしながら深められる仲間をつくりたいな。それには、まず自分がしっかり考えて発信しないと。私の場合は

ただ話す < プレゼンを準備する < 文章を書く 

という順に、考えがしっかり練られます。

「書きたいなあ」という思いがちょっとずつたまっていたのは、実はこんな理由じゃないかと思っています。

 

長々と書いたわりには、ここで書くことが続かない自信、けっこうあります。何しろ書くことが苦手で、ここまで書くのに随分時間をかけてしまいました。今後、時間をどう捻出するか、まだ分かりません。今日、この一本を書いておしまいになっても…いいや。ちょっと悔しいけれど、それで「ほんとに書きたいの?」という問いに対する自分の本当の動機が分かるようになるなら。

(もし次を書くとしたら、当然ですが、仕事に関しては既に発表された情報しか触れません。お約束。)