ほしのまき

FB や Tw では流れてしまうので、ためておきたいことをここに書きます。

東北≒海兵隊

先日、アメリカ海兵隊で戦地で活躍された後、被災地を訪れた方とお話しする機会がありました。

 

「東北には、海兵隊と同じレベルの、熱い志と力を持っている人が何人もいる。」

 

東北≒海兵隊

 

海兵隊の将校レベルに対する私の勝手なイメージは体・頭脳・心が優れている、若い優秀な人が海兵隊を志したら応援するし、入れたら尊敬するし、海兵隊の将校を辞めた若い人はその先のキャリアも期待ができる、って感じ。

 

もし、東北の被災地ではたらくことに対する世の中のイメージが、海兵隊と同じようになったら、おもしろいなあ。「被災地、かわいそう、支援してあげなきゃ」「復興支援≒社会貢献(いいこと)」で止まらずに、「被災地、冒険、自分を試し、鍛える場。」「憧れ」というイメージまで膨らませる。

 

大企業の「東北事業部」がエリートコース視される。転職先が被災地の事業だと「えらいねえ、大変そうだけど頑張って」だけじゃなくて「すごい、かっこいい。さすが○○さん」って言われる。高校の先生が、見込みある子に「地元の大学より、東北の大学に進学して被災地支援のインターンをしっかり経験するのはどう?」って勧める。「うちの子は東北で頑張ってるんですよ」といなかのお母さんがちょっと誇らしく話す。

 

もちろん、海兵隊は組織で、東北は地域社会だから、大きな違いもある。たとえば、地域社会では、社会的弱者を包み込むような動きが必須。もし海兵隊のたとえに違和感があるなら、地方の優秀で志ある若者が目指したいまち、たとえば「東京」みたいなデスティネーションに東北がなったら…というイメージでもいいんです。あるいは、海外留学と同じくらい、「東北でゼロから何かを立ち上げようとしている事業者のインターン」も人気で、周りも認める選択肢になるとか、ね。

 

それに実際、被災地には海兵隊のような出来上がった組織はない。入隊したら一定の訓練プロセスに乗って最低限の力をつけ…といった、組織の経験に裏打ちされた育成手順はないから、個人の力量に依存する分量が大きい。とても豊かな経験をする人と、何も得られない人の差は大きいでしょう。

 

それでもなお、「東北≒海兵隊」のイメージが、なんだか魅力的だなって思う。要は「かっこいい!」というイメージになったら、すごく変わるよなあってこと。

 

ここまで書いて、Teach for America を思い出した。

Teach For America | Home

アメリカで、貧困地域などの学校に優秀な大学新卒の若者を教員として送り、教育水準を上げるとともに、若者にも深い社会経験を積んでもらおうというNPO。アメリカの文系大学生の就職先人気ランキングではここ数年、トップ10にランクインし続けています。

 

アメリカの貧困地域に教えてに行く仕事を「かっこいいもの」にしたTeach for America の役割を果たす仕組みが、東北支援にあるといいんだな…。

(もしすでにそういう動きがあるなら、ぜひ知りたいです。)